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[ 日本セクシュアルマイノリティー協会「LGBT検定」初級修了に関して ]

日本セクシュアルマイノリティー協会「LGBT検定」初級修了に関して

昨年末に日本セクシュアルマイノリティー協会(JLGA)主催による、LGBT検定初級講座を受け、無事修了致しました。
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受けた理由はいくつかありますが、一番大きいのは今後僕がレズビアンや百合の映像を撮影していく上で、もっとLGBTに関する知識が必要だと感じたからです。僕は元々アダルト業界で監督をすることでレズビアン映像に触れ、このジャンルの作品を撮影し続けることで、現在のLGBTを取り巻く環境のことを知りました。
レズビアンと百合の作品を監督・製作している中で、レズビアン・百合作品のファンの方で当事者の方と実際にお話する機会もたくさんありました。そういったお話を聞くことでアダルトのことだけではない、リアルなLGBTに関するお話や意見を作品へフィードバックするようになっていきました。時にはアダルト作品であるのにその内容を詰め込もうとし過ぎて、アダルトのファンの方から非難されることもありました。
そういう流れの中でLGBTのレズビアンや百合を表現するのにはアダルト作品では限界があると思い、今ではそれを映画やドラマ方面で撮影出来るように自らの環境を作っていっている最中です。

僕はこれらの映像を製作していく上で、もっとLGBTのことを知っていかないと、当事者の方を傷付けたり、LGBTに関して知識や理解がない人に間違った知識を広めてしまうと感じました。そうならない為にももっとLGBTに関する知識を得る必要があったのですが、それを教えるところなどないし、間違った知識を知るわけにもいかない。そんな時にこの検定のことを知り、この牧村朝子さんの記事を読みました。
https://cakes.mu/posts/17186

この検定が賛否両論、いや否定的意見が多いことも知ってます。僕はこの知識を得る為に支払った講座代の約4万円を高いとは感じておりません。この講座代に関する批判は、金額云々のこともありますが、そういったことで金を取るなということなのでしょう。ですが、それに関しては牧村さんの記事内容のことで納得も出来ますし、僕自身、この講座で得ることが出来た知識や経験は自分にとって大切なものになりましたし、本当に受けて良かったと思っております。


講座には当事者の方から、企業の採用担当の方、教員を目指している方などが参加されており、皆さんの様々な意見を聞くことが出来るものでした。講座の内容には明確な答えは存在せず、その時、どう思ってどう行動するのか、そしてそれをどうするべきなのかなどを皆さんの意見を聞きながら考えていきました。今まで自分が気が付かなかったことで傷付く人が存在すること、どういう言葉や対応をすることで救われる人がいるのかなど、自分にとってはそれを知れただけでもこの講座を受けた意味はとても大きかったです。
レズビアン、ゲイ、バイセクシャルのことは理論的に理解していたつもりでしたが、トランスジェンダーに関しては全く自分は無知でした。そしてトランスジェンダー以外にも多くのセクシャリティーがあることも教わりました。そういったLGBTに関する体系的なことや、歴史についても学ぶことが出来ました。

そして講座を受けて最終的に感じたことは講師の方も仰ってましたが、答えはないし、多様性を受け入れることが重要ということでした。見た目だけに囚われずしっかり相手を知って受け入れることで、人を大切にすることが出来る。人を愛する大切さを改めて教わったという感覚でした。

そして僕はこの検定を受けたからといってLGBTに関して理解しているアライですとか、自分は多様性を受け入れる善人なんだなどと言うつもりは毛頭御座いません。先にも書いた通り、全体を理解した気になったところで意味はないのです。LGBTの当事者の方もそうでない人も皆全員に対して同じ態度で自然でいられるかが重要なのだと自分は感じております。人間1人1人にしっかり礼節を持って接することが出来るかが大切なのです。人に対するということは合う合わない、好き嫌いなども勿論ありますが、それ以前に差別などから入ることは絶対にあってはならない。LGBT検定を受けることでその重要性を知ることが出来ました。

LGBT検定の講師の方と講座のあとにお話する機会があったのですが、僕は正直に自分がアダルトの映像でレズビアンや百合を表現した作品を撮影していることを話しました。
正直なところ、こういったお堅い協会の方ですから、お話したら引かれてしまうかなとか、関わり合いになりたくないと思われてしまうかなと心配しておりましたが、そんな心配は杞憂に終わりました。講師の方は僕を色眼鏡で見ることもなく、同じ目線に立って、どういう志向で作品を撮っているかや、僕がその映像で伝えたいことなどを親身になって聞いてくださったのです。
僕は職業柄、この職業のことを周りに話せないことも多く、話しても興味ありそうに色々聞いてくることはあっても、結局は差別されてるような態度を感じることが多いです。ですが、講師の方からはそんな態度を感じることは一切ありませんでした。そこで改めて、人を差別しないこと、誰にも平等に接することの大切さを感じた次第でありました。

さて大変長い、乱筆乱文となりましたが、僕がLGBT検定初級講座を受けて思ったこと感じたことの全てを書きました。
今後も僕はレズビアンと百合に特化した映像を撮り続けていくと思います。その製作人生の中でLGBTに対する知識、現状を知ることはとても重要になってくると思います。
LGBT検定を受けたからどうというわけではない。僕自身がしっかり人一人一人と向き合い、人を大切にすることで、人を愛する重要性をより深く知り、それを映像を通して世に発信していきたいと思います。

2018年2月15日  白虎